劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』 | STORY
サービス満点の『100万ドルの五稜星』だが、実はそのほかにもコアファンを歓喜させる細かな仕掛けがごまんと用意されている。そのひとつが、原作者・ユニバース。そもそも怪盗キッドは青山の別作品「まじっく快斗」を「名探偵コナン」に輸入する形で生まれたものであり、劇中では中森警部やその娘・青子も登場(キッド/快斗にとっては中森警部は思い人の父であり大切な存在のため、劇中で彼が撃たれた際に激しく動揺する)。そして青山のもう一つの代表作「YAIBA」のキャラクターまでもが本作には現れる。ポスターに写っている沖田総司がそうで、既に第263話「大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城」(原作コミックス31-32巻)でコナンの世界に登場済みだが、「名探偵コナン」「まじっく快斗」「YAIBA」3作のキャラクターが1本に集結するのはオールドファン的にはたまらない演出。しかも、函館は新選組最後の地ともいわれており、新選組の一番隊組長だった沖田総司の名を継ぐ彼がこの地で戦う展開は、歴史ロマンとしても心憎い。
本稿では観賞前の興を削がぬよう基礎的な部分に留めたが、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』には今回挙げたもの以外にも「このキャラとこのキャラがこういう話をするのは熱い!」「このチームアップ/共闘が観られるのか!」といったキャラ推しの面々を高ぶらせる演出や、劇場版ならではのド派手なアクション、歴史ミステリーとしてのクオリティの高さ、聖地巡礼したくなる名スポットが登場する等々、多角的な楽しみ方をできる“沼要素”にあふれている。二度・三度と観賞するリピーターが生まれることは必至のため、どこまでのヒットを記録するのか興行収入の動向にも注目したい。
大ヒットシリーズ「名探偵コナン」の劇場版27作目。「月下の奇術師」の異名を持つ怪盗キッドや、キッドとは因縁のある「西の高校生探偵」こと服部平次が登場し、北海道・函館を舞台に、謎に包まれた日本刀をめぐるミステリーが展開する。
北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に、怪盗キッドからの予告状が届く。キッドの狙いは新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だったが、折しも函館で開催される剣道大会のため、服部平次やコナンも同地を訪れていた。平次はキッドの変装を見破り、追い詰めていく。時を同じくして、胸に十文字の切り傷がつけられた遺体が函館倉庫街で発見され、捜査線上には「死の商人」と呼ばれる日系アメリカ人の男の存在が浮上する。
北海道警捜査一課の刑事・川添善久役で北海道出身の大泉洋がゲスト声優出演。監督は「名探偵コナン 緋色の弾丸」「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」や人気アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪」も手がける永岡智佳。
名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) : 作品情報
キッドの真実、そして平次&和葉の恋ーーこの2本柱が『100万ドルの五稜星』の見どころだが、そこに絡んでくるのがキッドと平次の因縁。実はかつて和葉に化けたキッドを本人と勘違いし、平次がキスをしかけるという失敗をしでかしており、平次はキッドに積年の恨みを抱いているのだ。詳細はアニメ第983-984話「キッド vs 高明 狙われた唇」(コミックス第98巻)を参照いただきたい。ちなみに、キッドはかつて蘭にも化けているがその際はコナンに早々に見抜かれている(アニメ第76話「コナンVS怪盗キッド」/コミックス第16巻)。
その究極が本作の“キッドの秘密”であり、コナン・平次・キッドの三英傑による共闘だろう。さらに平次が飛行中のセスナの上で一大アクションを繰り広げるといった映画版ならではのスケール満点なシーンも用意されているが、ただ派手なだけでなくそこにちゃんと“心”が伴うのが重要。原作ファンの目で見たときに劇場版の各々のキャラクターの性格や行動理念にブレがないため、スッと受け入れられるし“推せる”のだ。前出のセスナ機上アクションで平次が言う「忘れんなや」に続くセリフは、彼の代表的なエピソード「浪花の連続殺人事件」と言葉選びが重なるし、和葉についに想いを伝えようとする際の「人には大概、動機っちゅうもんがある」から始まる名ゼリフもそう。ちなみにここは、かつて新一が蘭に告白した際の「厄介な難事件なんだよ」の下りにも通じる“名探偵だが恋心に戸惑う”部分とのミラーリンクを感じさせ、ファンならニヤリとさせられるのではないだろうか。
「名探偵コナン」劇場版シリーズ27作目。“月下の奇術師”の異名を持つ怪盗キッドと西の高校生探偵、服部平次が登場し、北海道・函館を舞台に、謎に包まれた新選組副長の土方歳三にまつわる日本刀をめぐるミステリーを描く。監督は『名探偵コナン 緋色の弾丸』の永岡智佳が務める。土方歳三の声を『ゴールデンカムイ』の津田健次郎が担当する。
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劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」大 ..
お約束のオープニング映像が年々凝っていったり、カメラワークやアクションシークエンスがダイナミックなものになったりするといった映像表現の進化、『』では“テロによる憎しみの連鎖”、『黒鉄の魚影』では“防犯カメラの世界連携による犯罪の抑制”、『100万ドルの五稜星』では“国の行く末(と戦争)”と社会性や現代性を盛り込んだテーマ性ほか、作品単体の質の向上と共に、エンターテインメントとしての分厚さを見せつける劇場版コナンシリーズ。贅(ぜい)の限りを尽くした『100万ドルの五稜星』の“先”をどうひねり出してゆくかも含めて、今後の動きにも期待したい。
名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024)
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「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」シリーズ初の動員数1000万人突破を達成! “100万ドルの夜景”10個分の興収も目前.
劇場版「名探偵コナン」シリーズ27作目となる、映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が2024年4月12日(金)に公開。
劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』監督・永岡智佳 ..
『名探偵コナン』シリーズのファンであれば、今回のキッドの獲物が日本刀と聞いた瞬間に違和感を覚えただろう。というのも、予告編等で「普段はビッグジュエルを狙うキッドが~」という説明がなされる通り、彼はビッグジュエルと呼ばれる特別な宝石を専門にしている。その理由は、キッドの単独作品「まじっく快斗」で描かれるがーー父親の死の真相を突き止めるため。つまり、本来の目的と食い違う行動の裏には、何かしらの個人的な理由があると考えられるのだ。ちなみに過去には、ある人物のためゴッホの絵画『』を狙った劇場版第19作『業火の向日葵』等があり、「キッドの真実」と照らし合わせることで「キッドの掘り下げが行われるに違いない」と予測が立てられる。公開前からファンが盛り上がっていたのには、そうした根拠もあるのだ。
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』|感想・レビュー・試し読み
原作者・青山剛昌によるコミックスが104巻を超え、全世界で累計発行部数2.7億部を突破している人気作品『名探偵コナン』。TVアニメシリーズは放送1000回を超えている。
劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』のガイド本が発売中
映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の舞台は北海道・函館。コナンのよき友“西の高校生探偵”服部平次は剣道大会で函館に訪れていた。一方、コナンの宿命のライバルである“月下の奇術師"こと怪盗キッドは、この地の財閥・斧江家が持つ新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀を狙う。平次とキッドはこの地で対決、そしてコナンは刀の秘密に迫ってゆく。
さらに斧江家初代当主が函館の地に隠したと言われるお宝、強力な兵器?を追う“死の商人”と呼ばれる男も現れるのだが…。
劇場版最新作の情報をたっぷり収録したガイドブック『名探偵コナン シネマガジン2024』が発売中!
平次とキッドには因縁があり、以前、キッドが和葉に変装しているのに気づかず、キスしてしまいそうになった過去がある。また、過去には平次の婚約者を名乗った、和葉のライバルで(『名探偵コナン から紅の恋歌』にて)百人一首の高校生チャンピオン大岡紅葉、さらには平次と剣道のライバル同士である沖田総司も登場する。
函館の名所・五稜郭もカギとなるロケーションとなるようで、タイトルの「五稜星」はどう関係してくるのか?
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劇中では、キッドとコナンの“とある秘密”も明らかに。特大シークレットのようで、これまで原作でも明かされていなかった内容が描かれる模様だ。
なお、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は公開22日間で観客動員数732万人を超え、興行収入105億円を突破。2023年4月に公開された前作の劇場版『(くろがねのサブマリン)』も興行収入138.3億円を突破しており、シリーズアニメとして2作連続100億円を突破するのは、邦画史上“初”となる。
劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』×函館 特別イベント
服部平次
関西では名の通った高校生探偵。父親は大阪府警本部長の服部平蔵。新一と同い年で、コナンの正体は新一だと知る数少ない1人。幼なじみの遠山和葉に想いを寄せているが、告白タイミングを逃しまくっている。今回は、剣道大会のために函館を訪れていた。
名探偵コナン 100万ドルの五稜星(100まんドルのみちしるべ)
2024年4月12日に公開となる『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(100まんドルのみちしるべ)』。予告映像には怪盗キッドや服部平次などの人気キャラクターが多数登場しており、ファンからの期待が高まっている。劇場版公開前に抑えておきたいポイントや見どころは?
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コナンは最近ハマるようになり、事前に関連エピソードや映画を出来る限り予習しました。
ちなみに、私がコナンの映画を劇場で観るのはこれが初めてです。一通り観た印象としては、ミステリーとアクション、ラブコメがバランスよく構成されていて観やすかったです。
コナンはアクションに全振りしているイメージが強いですが、今回はしっかりと謎解きがされていたので、ストーリーとしてもよく出来ていました。事件の黒幕が一体誰なのか予測できず、展開が二転三転して興奮が止まりませんでした。
コナンと服部が事件の謎を解いたり、バイクで派手なアクションを繰り広げる場面が多く、バディムービーのような面白さがあって熱くなりました。また、怪盗キッドの秘密が明らかになり、「コナンとそんな関係があったの!?」と衝撃を受けました。
服部と和葉の恋愛描写もあり、途中に出てくる100万ドルの夜景で告白シーンがあるなど、物語に自然な形で組み込まれていたのが好印象でした。それでも、最後には「えー、まじか!!」とびっくりする展開になって戸惑いました。
今回は4DXで観ましたが、私が今まで体験してきた中でも上位に入るぐらい相性が良かったです。刀を使ったアクションは、キャラの振り方に合わせて素早く動き、体ごとぶん回されているような感覚になりました。また、構えるときにフラッシュの演出があって、キャラとの一体感を感じました。
風の演出も多く、飛行機やターボ付きスケボーで疾走しているときは、劇場内に心地よい風が吹いていて気持ちよかったです。
想像よりも激しく揺れる場面が少なかったですが、必要に応じて座席の動きや特殊効果が使い分けられていました。そのため、物語に集中して観ることもできました。
私がコナンに興味を持ったことに驚いていますが、自分も好きになれてよかったと実感しました。来年も行くかはわかりませんが、今後の動きをチェックしていきたいと思います。
余談ですが、鑑賞後は最近USJにできたコナンの4Dライブショーに行きたくなりました(これがきっかけで興味が沸きました)。
『名探偵コナン100万ドルの五稜星(みちしるべ)』; このコラムの筆者 ..
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