今、期待のお薬 vol.2 SGLT2阻害剤 余分な糖を尿から捨てるお薬
複数ある糖尿病治療薬の中でも「SGLT2(エス・ジー・エル・ティー・ツー)阻害薬」に分類されています。
SGLT2阻害薬は、尿と一緒に体の中の余分な糖を排出して血糖値を下げる薬です。糖尿病だけでなく、心臓や腎臓にも良い効果があることがわかっており、慢性心不全や慢性腎臓病にも使われています。
尿糖とは、尿中に含まれる糖分のことです。正常時には尿中に糖分はほぼ含まれていませんが、血糖値が上昇したときや、腎臓が糖分を排出しやすくなっているときなどに尿糖が出ることがあります。尿糖検査は簡単に行えるため、糖尿病の簡易的スクリーニング検査の1つとして活用されています。市販されている試験紙を使用して自宅で測定することもできます。
SGLT2阻害薬服用患者さんへの「尿糖測定マネージメント」の有用性
腎性糖尿とは、腎臓の一部の機能が弱く尿中にブドウ糖が出てしまう状態のことです。
腎性糖尿となっても、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)は正常であるためほとんどの場合治療の必要はありません。
しかし、将来的にこの腎性糖尿から糖尿病に移行してしまう場合もあるため注意が必要な病態です。
尿糖の結果は(-)(±)(1+)(2+)(3+)(4+)で示されます。(-)は尿中に糖分がほぼ含まれていない状態で“陰性”を意味しており、(±)と(+)は尿に正常以上の糖分が含まれている状態で、“陽性”を意味します。(1+)~(4+)の数字は尿に含まれている糖分量の多さを示します。つまり、数字が大きくなるにつれて、尿中の糖分が多いということになります。
腎機能障害のある患者においては経過を十分に観察し、糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討してください。
腎機能障害のある患者においては経過を十分に観察し、糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討してください。
・この薬は、腎臓のSGLT2※のはたらきを阻害して尿と一緒に糖を排出する
フォシーガを飲むと1日約85gのブドウ糖(約340キロカロリー)を尿と一緒に体の外へ排出してくれます。これは、白米だとご飯茶碗1〜2膳分のカロリーです。
尿糖(4+)が出たら危険?~尿糖が高くなる原因や再検査の必要性
血糖値が腎臓で再吸収できる糖分量のを超えると、過剰な糖分が尿糖として排泄されます。この閾値には個人差はありますが、160~180㎎/dl以上の血糖値で尿糖が出やすくなるといわれています。
そのため、カナグル、フォシーガ、ジャディアンスを中心に説明します。 SGLT2阻害薬の主作用(尿糖排泄・血糖降下作用)
尿糖排泄を促進し血糖値を下げるという新機序の糖尿病治療薬SGLT2阻害薬は、2014年4月より発売されて3年目を迎えています。この薬を服薬すると、ブドウ糖が尿中に排出されることで血糖値が下がり、体重減少にもつながります。実際に尿糖測定を行ってみると、毎回の尿に数1,000mg/dLもの尿糖が出てきます。こういった現象を受け、排泄された尿糖値を観察することでどのようなことがわかるか、複数の研究が行われています。
一方、SGLT2阻害薬は腎臓に作用して、尿から糖(尿糖)の排出をうながす。体内に余っている糖を尿中にどんどん出して、血糖値を下げるわけだ。
フォシーガ(成分名:ダパグリフロジン)とは、糖尿病の治療に使われる薬の一つです。
Q.124 いつまで薬を飲み続ける必要がありますか? | 糖尿病Q&A1000
編集部:貴院でSGLT2阻害薬服用者に行った尿糖測定結果をみて、どのようなことがわかりましたか?
SGLT2阻害薬 安全に使ってその有効性を最大限維持させましょう
フォシーガには、体にためている脂肪の利用を亢進する作用があります。尿に余分な糖を出すことで、エネルギー源として脂肪を利用しやすくします。
ことで血糖値を下げたり、水分量の調節やその他さまざまな作用によって、慢
血糖値が高くなる原因として代表的なものは糖尿病ですが、それ以外の原因による場合もあります。たとえば、食べすぎや薬の影響による一時的な高血糖。さらに、ホルモン異常、などが挙げられます。特に尿糖の結果が(2+)以上を示す場合、たとえ血糖値の上がる食後でも糖尿病が疑われるような高血糖となっている可能性があります。もっとも高い尿糖値を示す尿糖(4+)はさらに高い血糖値であることが懸念されます。
フォシーガの副作用は?初期症状やダイエットにおける注意点を解説
加藤先生:尿糖がどのくらい出ているか、SGLT2阻害薬服用患者を中心に402件のデータを見てみたところ、そのうち98件、24%が5,000mg/dL以上の尿糖を計測しました。一番高かったのは8,870mg。どういう人が異常に高値だったかをみてみると、やはり血糖コントロールが悪い人ほど尿糖はたくさん出ていました。つまり血糖値が高ければ高いほど尿糖値も高い。そこに相関があるのは事実です。さらなる詳細は現在データをまとめているところです。また、一日の尿糖値の変化をみてみると、空腹時でも尿糖は排泄されており、食後に上昇。特に、食事量が多いと尿糖も増加していました。
フォシーガとはどんな薬?ダイエット効果と痩せる理由について解説
フォシーガは糖を尿と一緒に排出してカロリーを抑えることで体重が減りますが、他のダイエット薬ではメカニズムが違います。
「便の中にブドウ糖を出す」という糖尿病治療薬の新しい作用を発見
ただし、副作用に気づくためのポイントを知らないまま飲み始めると、副作用を見逃し、悪化してしまう可能性もあります。フォシーガの服用を検討している場合は、初期症状や対策を知っておくことが大切です。
注意点 | フォシーガ錠 | 小野薬品の薬を使用されている方へ
あと、SGLT2阻害薬は腎血流量の低下を介し糸球体過剰濾過を改善するという腎保護作用があることがEmpa-Reg Renal試験で注目されています。実際に尿糖排泄量の把握が重要であるため有効性の指標となり、尿糖測定値によって薬を継続すべきか有効性が低いのかを、検討できるのではないかとも考えています。
ステロイド糖尿病の中心病態は、インスリン抵抗性と肝臓からの糖放出の亢進です。 ..
編集部:SGLT2阻害薬は尿糖排泄を促進する薬剤ですが、排泄された尿糖の値は一般的にあまり議論の対象にはなっていません。そもそも把握する必要はないのでしょうか。
HbA1c、食後の血糖値、尿糖を測定して、早期発見する必要があります。
健康な人の場合、尿中のたんぱく質はごく微量しか含まれません。
しかし腎臓の働きが悪い人は、糸球体という尿を作る部位がダメージを受けているため一定量以上のたんぱく質が尿中に排出されてしまいます。
尿から糖を排泄することで、血糖をコントロールします。 心臓や腎臓などに良い ..
フォシーガは、この尿たんぱくを減らす効果や腎臓を保護する効果があると認められており、現在では実際に慢性腎臓病の治療に役立てられています。