日本の低金利への不満と、円安による円資産価値の下落への警戒感から、日本よりも高い金利を求めた外貨建て投資のニーズは根強いだろう。


週初5日、日銀の追加利上げと米7月雇用統計の悪化に端を発した世界的な株安を受けて日経平均株価が史上最大の下げ幅を記録する中、2023年4月27日以来の安値となる83.04円前後まで下落しました。低金利の円を借りて行う「キャリー取引」の巻き戻しが高金利通貨のNZドル売りを助長したと見られ、NZドル/円は7月10日に付けた38年ぶりの高値からわずか1カ月で約16%もの大幅安に見舞われました。ただ、7日に発表されたNZ4-6月期雇用統計が市場予想より良好だった上に、日銀の内田副総裁が「金融市場が不安定な時に利上げすることはない」と述べたことでNZドル買い・円売りが強まると89円台目前まで反発。8日には87円台に反落する場面もありましたが、米国株の上昇を受けて88円台を回復。9日の東京市場でも88円台を維持しています。


雇用者数が増加しているのに失業率が悪化していることを疑問に感じる方もいるかもしれません。その理由は人口が増加しているためです。豪統計局の公表する最新の人口統計を見ると、2023年9月までの1年間で豪州の人口は約66万人増加しており、そのうちの8割に当たる約55万人は留学生やワーキングホリデーなどを含む豪州国外からの移住者となっています。これら国外からの移住者の大半は豪州での就労を目的としているため、就労可能人口が増加することになります。就労可能人口が増加している割には、雇用者数が増加していなかったため、失業率が悪化したわけです。今後も就労可能人口が増加することで、これまでの「労働力が足りない」状況から、「働き口が足りない」状況へ移行していきます。これまでのように好待遇で労働者を探さなくてもよい状況となりますので、賃金上昇率も低下に向かうことが考えられます。現時点で市場はRBAの利下げ開始は来年の2月と見ています。今後、CPIの低下や失業率の悪化が続けば、この利下げ開始時期が前倒しになる可能性があります。

今週14日にNZ中銀(RBNZ)が政策金利を発表します。市場予想は金利据え置きと5.25%への利下げで見方が割れています。したがって、NZドル/円の初動は据え置きなら上昇、利下げなら下落という反応になるでしょう。一巡後は声明の内容に市場の関心が向うと見られます。RBNZは5月に利上げ含みのタカ派姿勢を強調したものの、7月には一転して「様々なデータは、いずれも経済活動の低下を示している」としてトーンダウン。1年以上先になるとの見方を示していた利下げ開始の時期が早まる可能性を示唆しました。仮に今回は政策金利を据え置いても、声明のトーンが前回と同様にハト派的なら買い一巡後に下落に転じることも考えられます。反対に、仮に利下げしても、利下げサイクル入りの示唆がなければ安値から切り返す動きになってもおかしくありません。いずれにしても、RBNZの決定に対する市場の見方が定まっていないだけに、14日のNZドル/円は変動幅が大きくなる可能性が高いでしょう。

しかし、同年末からの原油価格の下落に続き、2016年初に中国の景気減速懸念が広がると、

来週は豪州ではRBA議事要旨以外は主要な経済指標の発表は予定されていません。RBA議事要旨は一部市場の予想に反して中立的な政策運営スタンスを維持した経緯や、今後に向けてのヒントを探すことになります。また、ブロックRBA総裁が理事会後の記者会見で、「経済が金利上昇を消化する必要がないことを望む」と発言するなどややハト派的と市場はとらえました。

また、来週は22日にニュージーランド準備銀行(RBNZ)が理事会を開催し政策金利を発表するほか、23日にはNZ1-3月期小売売上高が発表されます。注目はRBNZ理事会です。市場はRBNZが今回の理事会では政策金利を5.50%据え置くと予想しています。前回4月10日のRBNZ会合後に発表されたNZの経済指標を見ると、1-3月期四半期消費者物価指数(CPI)は4.0%と前期の4.7%から大きく鈍化しています。また失業率も1-3月期は前期の4.0%から悪化して4.3%となっています。インフレ率の鈍化と失業率の悪化を見る限り、NZのインフレ鈍化傾向は今後も続きそうです。RBNZのインフレ目標は1~3%ですので、その上限が近づきつつある中、今回の会合でRBNZがこれまで取っていた慎重な姿勢に変化があるか注目しましょう。現時点で、市場はRBNZの最初の利下げは10月になると予想しています。RBNZの声明内容が少しでもハト派に傾いているようであれば、10月会合の一つ前である8月会合での利下げ開始期待が膨らむ可能性がありそうです。

メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。

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オーストラリアドル(以下、豪ドル)とニュージーランドドル(以下、NZドル)は、ともに金利水準が高く、リーマンショック前には高金利通貨の代表例として日本の個人投資家の認知度が高まった。また両通貨は経済規模の割に取引量が大きく、BIS調査による通貨別取引ランキングでは、豪ドルが6位、NZドルが14位となっている。

・英ポンド/円・豪ドル/円・ニュージーランドドル/円ペアは平均を下回る水準.

米国のインフレ率上昇で米連邦準備制度理事会(FRB)が2022年3月にも利上げに踏切り、その後も継続して利上げを実施するとの観測が市場のコンセンサスとなっています。その一方、日本のインフレ率はまだまだ目標の2%に届かないことから日銀が現在の緩和政策の継続のスタンスを示しています。

「豪ドルとNZドル」似たような通貨に生じた変化、両通貨の“乖離”に投資妙味がある理由

今週の豪ドル/円は102.77円前後で、NZドル/円は93.57円前後で週初を迎えました。週初は豪ドル、NZドルともに大きな材料もなく米ドル/円が5月2日以来となる156円台に乗せたことにつれて底堅い動きとなりました。14日に発表された米4月生産者物価指数(PPI)は市場予想通りだったものの、前月分が大きく下方修正されていたことを受けて、日米の株価指数が上昇したことで、15日には豪ドル円は一時104.03円前後、NZドル/円は94.81円前後まで上昇しました。15日のNY時間に発表された米4月消費者物価指数(CPI)の悪化を受けた米ドル/円の下落につれる場面もありましたが、米長期金利の低下を背景に米株価指数が上昇したことを好感して豪ドル/円は103円台後半まで反発、NZドル/円は94.84円前後まで上昇し週を通しての高値をわずかに更新しました。16日には豪4月雇用統計が発表され、市場は内容が悪いと判断したことで、豪ドル円は一時102円台まで下落、NZドル/円もこの動きに連れて、94円台前半まで下落する場面も見られましたが、米ドル/円が153円台半ばから155円台へ急反発した影響もあり、豪ドル/円は103円台後半、NZドル/円は95円台前半まで上昇しています(執筆時)。

NZドル/円(NZDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し

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上昇した場合には債券価格は下落し、ファンド証券の1口当たりの時価による純資産価格

このような「日米金利差の拡大」が米ドル/円相場の上昇に繋がるというのが円安米ドル高予想の背景となっています。

【2024年7月25日】“魔の8月”に備えよ!? 豪ドル/円 ..

では、すでに利上げを実施しているニュージーランドと日本の金利差拡大を材料にNZドル/円が上昇しないのは何故でしょうか?ニュージーランドの中央銀行RBNZは2021年10月、11月と2会合連続で利上げを実施しており、政策金利を0.75%に引き上げています。

歴史的な急落で90円台割り込む、反発期待も豪ドル次第の地合いに

NZドルはメジャー通貨の中では、相対的に金利水準が高い局面が多いことから、投資家からFX取引や外貨預金で長年高い人気を集めてきました。政策金利はおよそ14年ぶりの高水準にあり、中長期では底堅く推移しています。また金利差にあたるスワップポイントも、高水準維持が見込まれています。NZドル/円を買いで保有することで受け取ることができるスワップポイントにも注目したいです。また、みんなのFXでは1,000通貨から取引が可能で、約3,600円の証拠金を預けることで取引を始められます(1NZドル=90円で計算した場合)。FX取引を始めたばかり方も少ない資金で取引が可能なため、ぜひ、みんなのFXでNZドル/円の取引をご検討ください!

下落し、1口当り純資産価格が下落する要因となります。また、発行体の信用格付の ..

米国の政策金利は2022年3月に利上げが見込まれているとはいえ、現在はまだ0.25%です。ニュージーランドの政策金利のほうが高く、金利差だけで言えばNZドル/円に魅力があるように見えます。