豪ドル/円【AUDJPY】:外国為替・リアルタイムFXレート・チャート


RBAはオーストラリアを見舞ったコロナショックに対応し、その経済支援の一端として政策金利を過去最低の0.10%まで引き下げました。その後、RBAが注視していたインフレ率や失業率などが改善に向かっていく中で利上げが進んでいき、一時停止を挟みながら2023年11月会合まで利上げを継続しました。2024年5月時点の政策金利は4.35%となっています。
現在は金利を据え置いていますが、インフレ動向とRBAの金融政策の行方が今後の注目ポイントです。


世界的に大きなダメージを与えた新型コロナウイルスの蔓延による経済活動の停滞。そのコロナショックからいち早く立ち直ったオーストラリア経済を底支えしているのが鉄鉱石に代表される鉱物資源、液化天然ガス(以下、LNG)に代表されるエネルギー資源の輸出にあります。
近年は世界的にコモディティ価格が堅調に推移しており、この流れはインフレリスクのヘッジ手段としての需要を背景に続いていくことが想定されます。したがって、オーストラリア経済の成長見通しが堅持されれば、豪ドル/円相場も比較的堅調な推移となりそうです。一方、昨今のウクライナ情勢をはじめとした地政学リスクの高まりを受けて、商品相場のボラティリティは高まっているため、資源価格が変動する局面では豪ドル/円相場への影響には注意したいです。

豪ドル相場の見通しを予測するうえで、オーストラリア経済の指標チェックは欠かせません。なかでも、オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia 以下、RBA)が発表する政策金利や声明文は非常に高い注目度を集めます。

東京海上アセットマネジメントの「外国為替グラフ 豪ドル/円」ページ。豪ドルの対円為替レートの推移をご確認いただけます。

コモディティ価格の上昇による貿易黒字は中国需要に依るところが大きいため、中国国内の経済動向や豪中関係の政治的変化にも気を配る必要があります。

現在の中国経済ですが、その足元は今まさに正念場を迎えているといっても過言ではないでしょう。2020年のコロナショック以降、初期段階では迅速なロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種の進展から早期の経済立て直しに期待がかかりました。ただ、金融緩和による投資マネーの流入で不動産価格が高騰し、政府は住宅ローンや不動産開発企業への融資に規制を設けました。これを契機に中国市況は低迷をはじめ、中国恒大集団などが経営危機に陥りました。

足元でも、不動産を巡る不透明感が幅広く経済の足かせとなる展開が続いており、中国当局はその対応に様々な手を講じています。今後のオーストラリア経済の見通しを見極めるうえでも中国の政治・経済動向には目を向けておく必要がありそうです。

また、オーストラリア経済と強い結び付きのある国、にも豪ドルは影響を受けやすいという特徴があります。世界の工場たる中国が経済的発展を遂げる。その過程で大量の鉱物資源が消費される。鉱物資源が貿易のトップ品目であること、であることなどから、オーストラリアは影響を受けてしまうのです。

世界各国のロシアに対する経済制裁強化により、ロシア産エネルギー資源禁輸の懸念が資源価格上昇を引き起こし、電力といった我々にも身近なところで影響を与えました。オーストラリアは液化天然ガス(LNG)の輸出シェアが産油国カタールを押さえ第1位(2021年度)であり、世界情勢がより一層の“脱ロシア”へと加速した場合、ロシアに代わる新たな調達先としてのニーズを満たすかもしれません。

資源国通貨としての特色が色濃い豪ドルですが、鉄鉱石やボーキサイトといったに加え、石炭や天然ガスといったの商品相場に連動して為替相場が影響を受けます。もちろん、同国の経済においてもこれら資源貿易は重要な位置を占めており、がオーストラリア経済に与える影響は非常に大きいと言えます。


過去5営業日分の為替レートを表示します。 1米ドル, 1豪ドル

さて、オーストラリア経済に目を移すと同国経済は2018年までの28年間にわたり年度単位でのプラス成長を実現してきています。ですが、新型コロナウイルス感染拡大やドル需給問題などの影響によって2020年の経済成長率はマイナスに転じてしまいました。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた初期から財政・金融双方において大胆な支援策を打ち出したことによって同国経済は他国と比べ悪化せず、結果的に早い段階でコロナショック以前の水準を回復するとその後も着実な成長を続けています。

【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想

豪ドルの上値余地を探る上では、RBAによる金融政策の動向が最大の焦点となりそうです。RBAは2020年11月に政策金利を同国史上最低値となる0.10%に引き下げましたが、2022年5月の会合で利上げに踏み切りました。2023年4月の会合で利上げを見送り、10会合に及んだ連続利上げがストップしたものの、翌5月にはインフレの上振れリスクなどを理由に利上げを再開、予想外の決定でマーケットを驚かせました。
RBAは2024年6月の会合で政策金利を据え置き、4.35%の高水準で維持することを決定しました。声明では「直近のインフレ率は低下ベースが鈍化」と引き締めの可能性に含みを持たせており、その後行われたブロックRBA総裁の記者会見では、利上げの議論があったことも伝えられました。RBAの政策運営は豪ドル/円に対して大きな影響力を持つためその動向は注視しておきたいです。

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豪ドル相場を見通す上で最も注目したい指標が、RBA金融政策発表です。RBAは現在の金利据え置きによって、インフレ抑制に向けた行動を続けていますが、現時点でインフレ率はRBAが物価目標としている年2%~3%のレンジを依然上回っています。

上述したようにRBAは足元のインフレ動向を背景に引き締めスタンスをとっているため、当面は現行の金利水準の維持が想定されます。とはいえ、経済指標(データ)次第であることに変わりないため、今後も声明等の内容に注目しつつ、指摘されるインフレリスクや経済の不確実性などの要素を見定めていく必要があるでしょう。

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豪ドル/円(AUD/JPY)の為替チャート・予想・見通し | FX羅針盤

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アメリカは対日貿易赤字が膨らんでいたため、円相場の変動制を望んでいました。

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また併せて、毎月公表される豪雇用統計も押さえておきたいです。直近は雇用環境も大都市のみならず幅広い地域で改善していることが確認されており、正規雇用を中心に底堅さが伺えるなど賃金上昇に繋がりやすい状況が続いています。対して、コロナショックで一時悪化した失業率は改善を続け、およそ50 年ぶりの低水準で推移しています。雇用者数や失業率のデータはRBAが非常に重視しているデータで、これらの変化に着目することで、今後のRBAの金融政策や豪ドル/円相場を見通すヒントが見えてくるかもしれません。

ユーロ, 165.32円, 162.32円, 172.82円, 154.32円

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本ページは、外国送金の適用為替相場の情報提供を目的としております。 ..

かつては高金利通貨の代名詞であった豪ドル。現在でも個人投資家からの人気は健在で、2023年の国内の個人投資家における取引金額割合では3位の人気を誇っています。また、オーストラリアの政治経済や、チャートのテクニカルポイントに関するニュース配信も豊富ですので、豪ドル/円のお取引は「みんなのFX」のご利用をぜひご検討ください。
なお、先述の通り、豪ドル/円の値動きやスワップポイントの変動は、鉱物資源の需要に左右される傾向が強いため、世界経済や中国経済の動きに影響されます。また国内景気や、インフレ動向を判断するRBAの政策金利・声明文もしっかりウォッチしながら取引すると良いでしょう。
(2024年5月時点 トレイダーズ証券 市場部)

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