ドル円 160円突破!AIは今後のドル円相場をどう予測するのか
それにしてもなぜ、過去2年連続で11、12月と米ドル安・円高が続いたのか。図表2は、米ドル/円のチャートに、CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションを重ねたもので、これを見ると、年末にかけて米ドル安・円高が広がる中で、投機筋の円売り越し(米ドル買い越し)が縮小に向かっていたことが分かるだろう。
2024年以上に投機的円売りが拡大したのが2007年だった。当時は、日米政策金利差で見ると、最近と同じほど記録的に大幅な米ドル優位・円劣位が長期化していた(図表4参照)。以上のように見ると、最近と2007年は大幅な金利差円劣位の長期化に伴い圧倒的に有利な円売りが急増したという意味で、かなり似た構図だったと考えられる。
しかし、10月以降米ドル高・円安が再燃した中で、投機筋のポジションも、規模的には過去2年ほどではないものの、再び米ドル買い・円売りに転換したようだ。このポジションは、年内の米ドル高・円安見通しが続く中ではさらに拡大する可能性があるだろう。ただ、米ドル高・円安見通しが一段落すると、利益確定、損失回避の米ドル買い・円売りポジション手仕舞いの動きは過敏になる可能性があるかもしれない。2024年の場合、夏の米ドル/円急落を受けた米ドル買い・円売りポジションの損失により、過去2年ほど米ドル買い・円売りポジションの含み益があるとは考えにくいためだ。
ドル円見通しを上方修正、2024年10-12月期に1ドル=134円と予想
2024年2月に史上最高値を更新した「日経225」今後の動向にチェック!
為替レートが大きく変動している。2024年初に1ドル140円台前半であったドル円レートは、4月29日に一時160円/ドルを超えるなど、急速な円安が進んだ。だがその後、政府・日本銀行が為替介入に踏み切ったことで、ドル円レートは一時153円/ドル台まで急騰した。足元では再び緩やかな円安が進んでいるが、先行きの不確実性は依然大きい。
円安は実体経済にプラスの効果をもたらすとの先行研究は多い(※1)。だが、通常想定されている波及経路に目詰まりや構造変化が起きれば、円安によるプラス効果が低下したりマイナスに転じたりする可能性がある。
2022年の円安進行時を例に挙げてみよう。当時は、新型コロナウイルス禍の影響で世界的に物流が停滞し、製造業を中心に企業は生産活動に必要な物資を十分に調達することができなかった。円安が進行しても生産量を増加させることができず、輸出を拡大させることが難しかった。加えて、厳しい入国規制によってインバウンド需要は停滞が続いた。他方、輸入価格の上昇という円安のマイナスの影響は通常通り発現した。大和総研のマクロモデルで当時の経済状況を想定してシミュレーションを行うと、円安はネットでマイナスの効果をもたらしたと推計された。
現在はすでに経済活動が正常化しており、2022年当時の「悪い円安」が当てはまる経済状況ではない。だが一方、円安の進行が消費者物価(CPI)上昇率を高めている(※2)。これは消費者マインドの悪化を通じて消費の低迷の一因となっている可能性がある。
図表は、CPI上昇率が消費者マインドに与える影響を試算したものだ。全てのサンプル期間(「全サンプル」)で試算した結果と、CPI上昇率が前年比+2%を上回る「高インフレ局面」に限定して試算した結果を比較している。大きな特徴として、高インフレ局面では、年齢階級を問わず物価高が消費者マインドを悪化させる度合いが大きくなっている。
一般的に円安は資産効果を通じて個人消費を押し上げる側面もある。だが高インフレ局面にある現在、円安によってインフレ率が一段と上昇すれば、消費者マインドの悪化によって個人消費が抑制されやすい。円安が一段と進むことで、実体経済への悪影響が大きくなる可能性には注意が必要だ。
永く第一線でディーラーとして活躍したYEN蔵氏。専門知識を活かした相場解説や今後の見通しを知るうえで有効です。
この点が最近は違う。2007年とよく似た「円売りバブル」の可能性がもたらした円安は、今回は対米ドルでも「行き過ぎ」懸念が強くなっている。「行き過ぎた円安」の日本経済への悪影響は、対米ドルと米ドル以外の通貨に対する場合では評価が異なる。2007年と異なり、最近は対米ドルでの「行き過ぎた円安」が懸念される以上、通貨当局による円安阻止介入が円安の幕引き役となり、「円売りバブル」終了の最初のきっかけになる可能性はあるだろう。
(資料)macrobond、23年11⽉6⽇時点まで。 主要国の名⽬実効為替相場. ドル. ユーロ. 円. カナダ. 英国.
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が17.9%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は55.0%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は▼37.1%ポイントと前月の▼1.3%ポイントからマイナス幅が大きく拡大した。
2024/12/26【FX ドル円予想】1月ドル買いスタート ..
では2024年の11月、12月はどうか。年末にかけて円高になりやすい傾向は、今回も続くことになるのか?
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 月末・月中平均の為替相場
調査期間前後の米ドル/円相場は、米ジャクソンホール会議で米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「政策を調整する時が来た」などと発言し9月会合での利下げを示唆したことから3週間ぶりに143円台に下落した。9月の利下げ幅が25bp(0.25%ポイント)ではなく50bpになるとの見方もくすぶる中で、個人投資家は円高・米ドル安方向に動くとの見方を強めているようだ。
FX/為替「ドル/円、欧州勢不在で本格始動はNY市場からか」 外為どっとコム トゥデイ 2024年12月26日号 ..
ドル円相場が160円の大台を突破し、為替市場に衝撃が走っている。1990年以来、34年ぶりの円安水準を記録したこの動きは、経済界のみならず一般市民の間でも大きな話題となっている。円安の進行は日本経済に多大な影響を及ぼし、その行方に世間の注目が集まっている。輸出企業にとっては追い風となる一方、輸入物価の上昇によるインフレ圧力の高まりや、個人の購買力低下など、様々な側面で経済に影響を与えている。このような状況下で、多くの人々が今後のドル円相場の行方に大きな関心を寄せている。果たして円安傾向は今後も続くのか、それとも反転の兆しはあるのか。
26日の予想レンジは、日経平均株価は3万8900円~3万9300円、為替はドル/円=156円90銭~157円 ..
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が160.00円、最安値が132.00円となり、高値の平均値は148.93円、安値の平均値は141.17円であった。高値の中央値は149.00円、安値の中央値は141.00円だった。実勢レートが前回調査時(最終日)から11.6円程度切り下がったのに対して高値・安値の予想中央値も11~14円程度、円高・ドル安方向にシフトした。
【2024年10月21日】米ドル/円 円高リスク再燃は近い?(宮田直彦)
本レポートでは、最新のAI技術を駆使し、複数のシナリオを想定しながら今後のドル円相場の予測を試みる。経済指標、金融政策、地政学的リスク、市場心理など、多角的な要因を考慮に入れたAIの分析は、従来の予測手法では見落としがちだった新たな視点を提供し、より精度の高い予測につながる可能性がある。本分析を通じて、今後の為替動向に対する新たな洞察を得ることを目指す。
26日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=157円台半ばに小幅下落。
本節では、最新のAI技術を活用し、ドル円相場の将来予測を行う。まず、1996年10月から2024年6月末のドル円データをAIに読み込ませ、「情報を分析し、洞察してください」と指示したところ、AIは読み込ませたデータが1996年10月28日から2024年6月30日までのドル円レートの週次データであることを認識し、長期トレンド、主要な変動期、変動幅、近年の傾向、周期性、ボラティリティごとに洞察を加えた(図表1)。AIによる分析結果をみると、1996年10月から2024年6月までのドル円データについて、それぞれの観点から詳細に分析されている。これは人間のアナリストによる分析と比較しても遜色なく、むしろより客観的で包括的な視点を提供しているといえる。特に、データの周期性やボラティリティの変化に関する指摘は興味深く、為替市場の構造的な変化を示唆している可能性がある。
2024年12月20日 円安加速 株高はこれからだ【朝倉慶の株式投資・株式相場解説】 · Comments.
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、17.0%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は44.3%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は▼26.3%ポイントとなり、前月の▼3.2%ポイントからマイナス幅が拡大した。
【速報】円安加速で一時1ドル=160円台 約34年ぶりの水準 外国為替市場(2024年4月29日) · Comments386.
今回の為替予測では、大量のテキストデータとコードから学習した大規模言語モデル(LLM)が用いられている。LLMは、過去のデータパターンや複雑な関係性を学習し、多様な情報源から得た知識を統合して分析することができる。これにより、経済指標、政策動向、市場心理など、為替市場に影響を与える多面的な要因を包括的に考慮した予測が可能となる。しかし、LLMは複雑な内部構造を持つため、その予測根拠を完全に特定し説明することは困難である。提示される情報は、あくまで予測に影響を与えた可能性のある要素の一部であり、すべての根拠を網羅するものではないことに留意が必要である。
【2024年6月18日】 これから何が起こるのか?米ドル/円 ..
次に、AIに対して「想定内の複数のシナリオを前提に、2024年9月末、12月末、2025年3月末のドル円価格を予測してください。またその根拠も教えてください」と指示したところ、AIは留意点として「これらの予測は、現時点での情報と過去のトレンドに基づいています。実際の為替レートは、予期せぬ経済イベントや政策変更によって大きく変動する可能性があります」としたうえで、現状維持シナリオ、日米金融政策収束シナリオ、グローバル経済混乱シナリオの3つを挙げ、2024年9月末、12月末、2025年3月末の価格予測と根拠を示した(図表2)。
【2024年6月18日】 これから何が起こるのか?米ドル/円の戦略(西山孝四郎 氏) · Comments19.
調査期間前後のユーロ/円相場は、植田日銀総裁が衆院の閉会中審査で金融政策を正常化する方針を改めて示したことで円買いが優勢となり160円台半ばまで弱含んだ。欧州中銀(ECB)が9月の理事会で追加利下げを決定するとの思惑も相まって、当面は円高・ユーロ安と見る個人投資家が増加したようだ。
一時37年半ぶり円安水準 市場関係者「円一弱の状況」 円相場1ドル=160円台続く(2024年6月27日) · Comments61.
これらのシナリオは、現在の経済状況を踏まえた妥当なものであり、特に日米金融政策の動向がドル円相場に与える影響を重視している点は適切と考えられる。ただし、各シナリオにおける価格予測の幅がやや狭い印象があり、実際の市場ではより大きな変動が起こる可能性も考慮すべきだろう。