つまり、海外の人から見ると、円安になると日本の製品が安くなるのだ。
また、輸出入以外でも、日本人が海外(米国)に旅行する際、旅行者は円を売ってドルに交換します(円安・ドル高要因)。海外から日本へ来る旅行者はドルを売って円に交換します(円高・ドル安要因)。こうした動きも実需筋による売買となります。要は実需筋とは円相場の相場観などにあまり左右されることなく、必要に応じて為替取引を行うプレイヤーということになります。
例えば、輸出企業は国内で製造した製品を米国に輸出する際に、買い手となる米国企業が代金をドルで支払いをします。その場合、輸出企業は最終的に受け取った代金(ドル)を円に交換することになり、その際に為替の取引が行われます。逆に輸入企業が米国から製品をドル建てで購入する際、決済のために円をドルに交換します。つまり、輸出が増えると円買いが増加し円高・ドル安が進行し易く、輸入が増えると円売りが増加し円安・ドル高が進行し易くなります。
まず、円相場を動かすプレイヤーの1つが実需筋(じつじゅすじ)です。このプレイヤーは、経済活動を行う中で必要に応じて為替の売買を行う主体であり、代表的なのは輸出企業や輸入企業となります。
結論から言えば、7月までの円安は投機によるものであったといえるだろう。
財・サービス収支は、2021年以降、赤字基調が続いています(図表1)。2020年に発生した新型コロナで世界経済が封鎖された影響で日本の輸出が落ち込んだことや、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の影響で原油や天然ガスなどエネルギー価格が高騰し、輸入金額が増大したことが主な要因です。財・サービス収支赤字の拡大基調が2023年初め頃まで続くなか、その後を追って円相場は円安・ドル高傾向となりました。実需筋が貿易などを通じ、恒常的に円売りを進めたことが一因だったと思われます。
この記録的な円相場が日本経済や私達の生活にプラスかどうかといった議論は置いといて、本稿では円相場がどうやって動いているのかといった観点で、円相場で売買を行う2つの主体(プレイヤー)をご紹介します。
この投機筋の動きを捉えた指標の1つがIMM(International Monetary Market)通貨先物ポジション(建玉)の情報です。これはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などで取引されている通貨先物取引のデータであり、その中でも特に非商業(Non-Commercial)による円買い(Long)、円売り(Short)のポジションと、その差(ネット)の動きが注目されます。非商業≒投機筋と理解されています。
円相場は中長期的に見て円安・ドル高傾向が続いています。今年(2024年)を見ても、年初が1ドル=141円程度だったのに対し、7月上旬に一時1ドル=162円程度へ円安・ドル高が進みました。これは年初に1ドルを交換するために必要な円が141円だったのに対し、7月には162円が必要になったということです。相対的な価値として、ドルが円よりも高くなった(ドル高)、円がドルよりも安くなった(円安)となります。この1ドル=162円という水準は歴史的に見ると、1986円以来、約37年ぶりの円安・ドル高水準となります。
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また、SBI FXトレードでは、スワップポイントを効率よく得られるメキシコペソ/円(MXN/JPY)や、南アフリカランド/円(ZAR/JPY)、トルコリラ/円(TRY/JPY)などの高金利通貨ペアも豊富に取り扱っております。
原油3カ月ぶり120ドル台、OPECが増産ペースを速めても高止まりする理由
「+10円」×「1万通貨」=「+10万円」の損益評価額
「+0.0005円」×「1万通貨」=「+5円」のスワップポイント
「+10万円」+「+5円」=「+10万5円」の利益
対ドルで下落進む円とユーロ、今後の反転で円がユーロに勝てない理由
図表2は円相場(ドル円相場)のネット・ポジション(円買いポジション-円売りポジション)の推移を見たグラフです。円売りポジションが相対的に増加(グラフの緑棒が上昇)しているときは、円相場で円安・ドル高が進んでいます。
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【そもそも解説】円相場が一気に急騰、為替介入ってどんな仕組み?
このとき、ロールオーバーで1ドルあたり「0.0005円」のスワップポイントを獲得した場合、以下のように最終的な利益が求められます。
円相場 1円以上値下がり 円売り・ドル買いの動きが強まる | NHK
冒頭でも指摘しましたが、今年の円相場は7月上旬にかけて大幅に円安・ドル高が進みましたが、その動きを主導していたのが投機筋による円売りと言われています。実際、円相場のポジションは年初から円売りが増加し、ネット・ポジションは4/23時点で約17年ぶりの高水準に達しました。
投機筋が大幅に積み上げた円売りによって160円を超えたドル円相場。8月の株価大暴落前後でその売りのポジションはほとんど解消した。
「1ドル=110円」の買いポジションが「1ドル=120円」になったときに、ドル/円の決済売り注文をした場合、差額である「10円」の利益が出ます。
【為替】米ドル売り・円買い継続の見極め方 | 吉田恒の為替デイリー
このとき、投機筋は米国と日本の金利差が拡大する、との見通しのから、高金利通貨のドルを買い、低金利通貨の円を売る動きが活発化。あるいは、米国と日本の金利差が今後、拡大してくのでは?との思惑から、先回り的な円売り・ドル買いの動きが強まったと見られます。
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円買いドル売りの為替介入に動くとの見方がある。 ADVERTISEMENT
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