一般的に言えば、ドルと米国債利回りは「順相関」、ドルと米国債の価格は「逆相関」の関係にある。
5月13日の午前にこのようなニュースのヘッドラインが、金融専門ニュースを表示するパソコン画面に流れました。その瞬間にドル円レートが40銭ほど円高に振れたものの、すぐに元の水準に戻りました。
為替レートが金利差の影響を受けて動くのはよく知られています。特に、2022年初めから続いている円安ドル高局面ではその傾向が顕著となっています。図1は2004年以降のドル円レートと日米金利差の推移を示したものです。日米金利差は、2年物と10年物の国債利回りより算出しています。米国の金利から日本の金利を差し引いているので、相対的に米国金利が高まれば、ドル円レートもドル高に動いていることが見てとれます。なお、2003年以前は、両者はさほど連動してはいませんでした。
もちろん2004年以降も、ドル円レートが日米金利差から離れて動く局面はありました。そのため、最近の「34年ぶりの円安」などと言われる大幅円安には、金利差以外の要因も影響していると思われますが、図1に示した矢印のように、日米金利差とドル円レートの動きはかなり類似しています。日本円のような超低金利の通貨で運用しても利子はほとんど得られませんが、米国ドルのような比較的高い金利の通貨で運用する方が多くの利子を得られるので、通貨の魅力度では「ドル>円」となるのはよく知られています。
ドル円と日米の5年債利回り格差に注目 / ドル円 目先の焦点
このような日米金利差拡大による円安ドル高の背景には、「低金利通貨を売って高金利を買う」という、いわゆる「キャリートレード」が積極的に行われていると考えられます。加えて、投機筋が「この先も金利差がなかなか縮小しないので『キャリートレード』による円売りがまだまだ続くだろう」と見込んで、先取りで円売りを仕掛けている可能性も高いと思われます。
このような円安ドル高の主因となっている日米金利差ですが、この拡大した金利差が長期間継続するとの見方の背景には、「緩和的な金融環境を当面継続する」という日銀に対し、FRBは「インフレ率が持続的に2%へ向かっているとの確信がさらに強まるまで利下げをしない」との方針を示していることがあります。このように、日銀は緩和継続で、FRBは高金利維持の方針を示す以上、近い将来に金利差が急速に縮小する可能性は低いため、投資の取引も投機の動きも円売りに傾きやすい環境となっています。
普通、金利が高ければ通貨の魅力が増し、為替相場は上昇するはずだ。しかし必ずそうなるわけではない。
しかし、ドル円レートが急変動したゴールデンウイーク期間後に、植田日銀総裁の発言に変化が出てきました。5月8日に植田総裁は「過去と比べると為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があることは意識しておく必要がある」と発言し、円安で物価が上振れれば金融緩和縮小の可能性を示唆しました。その後、5月13日には冒頭に記載したように、日銀は国債買入れオペを減額しました。
焦点:ドル/円と米金利の相関、今は10年より5年 金融政策がテーマ
今年3月に日銀はマイナス金利を解除し、量的・質的金融緩和政策を終了しましたが、金融市場に過度の影響を与えないよう、国債買入れオペはそれまでと同様の規模で継続する方針を決定していました。しかし、その買入れ方針にはやや幅が設けられていたため、その範囲内で国債購入額を減らしたのです。これを受けて5月13日に、10年国債利回りは4月末よりも0.07%高い0.94%へ、2年国債利回りも同じく0.04%高い0.33%へ上昇しました。
図6は、ドル円の日足チャートと米国2年債利回りの推移。 非常に高い相関性が存在する。 (図6:ドル円/白・米2年債利回り/オレンジ)
日銀の姿勢が変化してきたことで、日本の金利が上昇し、日米金利差がやや縮小しましたが、図1にあるように、そもそも5月13日時点の日米金利差は10年国債利回りで3.5%程度、2年国債利回りで4.5%程度と、大幅に開いているため、日本の金利の小幅な動きではこの金利差に与える影響は軽微です。実際、ドル円レートも一瞬は円高に振れたものの、すぐに円安傾向へ戻ってしまいました。
の間、FRB による利上げとその後の政策金利据え置きにより、米 10 年金利も上昇
野村ホールディングスのG10外為戦略世界責任者、ビラル・ハフィーズ氏はドル相場が米国債利回りとの相関を取り戻すにはこの5つの中の幾つかの組み合わせが必要だとみている。
円は上昇へ、日米国債利回り格差との逆相関強まる-95円も可能か
日米金利差を背景とした円安ドル高の流れが変化するとしたら、日米中銀の金融政策スタンスにかかっているでしょう。日銀もFRBも「2%の物価目標を持続的に達成できるかどうか自信がない」と示しているのですが、日銀は物価下振れを、FRBは物価上振れを警戒しており、政策方針が真逆です。それがこの金利差に繋がっているのですが、日米の物価動向次第では、金融政策姿勢が変化し金利差が縮小する可能性があります。
オンの円安が強まったためです。その結果、⽶ドル円は過去1年間の日⽶5年国債⾦利差との相関に⾒合う
もちろん、金融政策運営は経済・物価・金融環境など全般を見て判断するため、円安だけで日銀が追加利上げや国債買入れ縮小を決定するわけではありません。また、日銀の行動だけでは日米金利差が大幅に縮小する可能性は低く、FRBの利下げ観測が高まるかどうかが重要です。
欧米長期金利の反転上昇は異例に低い水準からの修正局面とも受け取れるが、この間、
金利差に影響を与える日銀・FRBの行動の起点は、日米のインフレ動向にあり、ドル円レートはインフレ・データの公表時に大きく動く状況がしばらく続くのではないでしょうか。
以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。 ..
12月27日 為替ドル円:157.86円
高値:158.02円(12/26)安値:140.58円(9/16)
変動幅:17.44円 変動率:11.0%
12月27日 米10年債金利:4.6260%
高値:4.6260%(12/27)安値:3.6190%(9/16)
変動幅:1.0070% 変動率:21.8%
[PDF] 総合チャート集(株価・為替・商品・金利・REIT等)
90日間(2024/8/26->12/27)の相関係数:0.98771
この時期の為替ドル円と米10年債金利との関係は、正の相関関係が非常に強いと言えます。
TradingViewでドル円と米国債利回りの動きを比較する方法
30日間(2024/11/15->12/27)の相関係数:0.96298
この期間の為替ドル円と米10年債金利との関係は、正の相関関係が非常に強いと言えます。
今回は、債券市場の米国債利回りのデータとドル円の値動きを比較する方法について紹介します。 【米国10年債利回りドル円を比較したチャート】
米国の金融政策を反映する米2年債利回りと米ドル/円の相関関係が復活してきた(図表1参照)。両者は、2022年10月にかけて150円を越えるまで米ドル高・円安が展開した中では高い相関関係が続いていたが、11月以降米ドル/円が急落に転換すると、大きくかい離するところとなっていた(図表2参照)。
日米長期金利の動向と、日米10年債金利差と為替ドル円の関係を90日間の推移チャートと相関係数で確認できます。
《本資料は執筆者の見解を記したものであり、当社としての見通しとは必ずしも一致しません。本資料のデータは各種の情報源から入手したものですが、正確性、完全性を全面的に保証するものではありません。また、作成時点で入手可能なデータに基づき経済・金融情報を提供するものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようにお願い申し上げます。》
米長期金利(米国10年国債利回り)チャート、2021年見通し解説、時系列データ。ドル円や米政策金利とのチャート比較も。
そんな両者の相関関係が復活してきたのは、インフレ是正の鈍化や景気減速懸念の後退などを受けて、米利上げ見通しを上方修正する動きが浮上するなど、米金融政策への注目が再燃している影響が大きいのではないか。2月22日に、2月FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公表されたが、これらを受けて、金利市場では今後6月まで3回連続の0.25%利上げを織り込む動きとなってきた。つまり、現行4.75%のFFレート上限は5.5%まで引き上げられる見通しとなってきたわけだ。
国当局が米債投資を削減する」などの思惑まで浮上し、相関がなくなる ..
金融系のメディアではよく2国間の金利差と為替の相関が取り上げられています。そこで、今回は日米金利差と米ドル/円相場について、簡単なグラフを作成して分析してみました。