円相場 1ドル=154円台まで円安進む “トランプ氏当選確実”で | NHK
トランプ次期米大統領の政策と米金融当局の利下げで2025年後半にドルに下押し圧力がかかる可能性が高いとみて、ウォール街ではドルの見通しが弱まり始めている。
やJPモルガン・チェースなどセルサイドのストラテジスト約6人は、世界の準備通貨ドルが早ければ来年半ばにピークに達し、その後下落に転じると予測。ソシエテ・ジェネラルは、ICEドル指数が来年末までに6%下落するとみる。
ドルは今年既に大幅上昇しており、15年以来最大の上げとなるペース。米大統領選挙でのトランプ氏勝利と、好調な経済データを受け、トレーダーらが来年の米利下げ回数予測を下方修正したことが要因だ。
第2次トランプ貿易戦争、4つの観点からドル/円を考える=高島修氏
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は今年これまでに約6.3%上昇。大半は11月初めの選挙日直前からとそれ以降の上げだ。トランプ氏の関税と減税がインフレをあおり、米金融当局の利下げ方針を向こう数カ月にわたり複雑化させるとの見方がドル高を後押ししており、世界の投資家が米国に資金を移すインセンティブとなっている。
トランプ氏は貿易に関してタカ派的発言を強めており、最近では、移民や麻薬関連の国境問題を理由にメキシコとカナダの物品に25%の関税を課すと表明。メキシコ・ペソとカナダ・ドルが下落した。トランプ氏は今月、新興国グループが基軸通貨としてのドルの地位に挑戦を試みているとして、同グループを批判した。
ただ、ドル強気派の多くはトランプ氏の貿易に関する見解が本質的にドルを支えるとの見方からロングポジションを積み上げてきただけに、トランプ政権2期目に貿易戦争の可能性が解消すれば強気派の失望を招くと、ダニエル・トボン氏率いるシティグループのストラテジストらは予想する。
トランプ次期政権下のドル相場の動向を考える場合、過去の値動きが参考になる。8年前のトランプ氏初当選直後に急上昇した後、17年には、米経済の勢いが失われる一方で欧州の成長が加速したため、ブルームバーグ・ドル指数は年間で過去最大の下落を記録した。
ドル安を誘導する米大統領になりたいドナルド・トランプ氏だが、強いドルに基づく政策を有権者に売り込んでいる。
これが、を想定し分析を進めたウォール街のエコノミストらの一般的な見方だ。米国の貿易相手国への関税や、インフレと金利を押し上げる可能性のある減税など、他の条件が同じであれば、ドル高を促すような政策が組み合わされると見込まれている。
ドル高かドル安か、トランプ氏は予測不可能 LA発ニュースを読む
もちろん、2017-20年のトランプ政権では多くの専門家の予測が覆された。共和党から出馬するトランプ氏はポピュリスト的なイメージで同党を完全に変え、オハイオ州選出のバンス上院議員という強いドルへの懐疑論者を副大統領候補に起用した。
トランプ・ショックで為替相場がドル高・円安に進んだ理由 | 高島修
ドル安誘導の簡単なレバーが大統領にはないことを、16年の大統領選を制したトランプ氏は分かっているだろう。
【2024年11月18日】ドル高の終わり トランプ・トレード ..
TSロンバードのチーフエコノミスト、フライヤ・ビーミッシュ氏は、「トランプ氏と通貨価値の押し下げ(devaluation)の間に立っているのがS&Pだ」と米主要株価指数に触れ、「ドルの価値押し下げに積極的に踏み切れば、世界の金融システムに衝撃が走るだろう」と述べた。
トランプ氏勝利で株急伸 一時1400ドル高、円は急落―米大統領選
トランプ氏は大統領として、他国の通貨がドルに対して弱過ぎると非難し、FRBに金融緩和を何度も働きかけた。ホワイトハウスへの返り咲きを目指す今、同氏はブルームバーグ・ビジネスウィークとのインタビューで、この問題が依然として最重要課題だと明らかにした。
共和党トランプ政権誕生でどうなる?ドル高円安の先を予測 | 高島修
モルガン・スタンレーやドイツ銀行などの金融機関は、トランプ氏の大統領選勝利はドルを押し上げる可能性が高いと結論付けている。
トランプ氏優勢の観測で円安・株高進む 一時1ドル154円台前半に
トランプ氏が提案した減税の結果、財政が緩めば、FRBは金利を上げ続けなければならなくなり、ドルが上昇する。関税も同様の効果をもたらし、外国製品の魅力を低下させ、貿易相手国の通貨需要を減少させるというのがその主な論拠だ。
ドル円の週間見通し 為替介入の思惑とトランプ氏銃撃の影響 ..
とはいえ、ドル高を抑えたいと宣言しているためトランプ氏がどのような策を講じるのか、そして誰にその実行役を託すのか、誰もがその手がかりを探ろうとしている。
【ポイント】 ・「トランプ勝利」なら長期金利上昇・米ドル高・株高? ・それとも「トランプ・ラリー」の先まで見据えて、市場は冷静に対応か
トランプ氏と定期的に話をする経済アドバイザーらは、ドルに焦点を絞った通商政策の構想を練っている。その中にはトランプ氏が当選した場合の財務長官候補として名前が挙がっている2人も含まれる。
NY為替:米大統領選でトランプ氏勝利、金利高・ドル高・株高 | 通貨
ヘッジファンドを運用しトランプ氏の資金調達に貢献したスコット・ベセント氏は、バイデン政権の「フレンドショアリング」政策を拡大し、米国のパートナー国間で段階的なシステムを構築し、ドル安目標の推進に貢献した国には貿易上の優遇措置を与えるとの話をしている。
ドル円相場11/25週振り返り トランプ次期政権の関税政策受け円高へ
「ドルがトランプ氏の政策にどう反応するかを決めるのはFRBだ」と外為市場のベテラン、カーティク・サンカラン氏は指摘。減税や関税、移民規制のどれかがインフレを招くと判明した場合、FRBの一般的な反応は利上げとなり、それがドル高を促進する。
ドル円見通し 第一次トランプ政権における円高の教訓(24/12/25)
トランプ氏の側近や市場アナリストは、もう一つ選択肢を見ている。関税賦課はそれ自体、ドル高をもたらすかもしれないが、中国などの貿易相手国に自国通貨高を促す強い力として働く可能性もある。
2025 年に始動する第二次トランプ政権(トランプ 2.0)では、減税政策に加え、関
サンカラン氏は「トランプ氏がドル安を望むと同時に中国や日本、韓国などがドルの強さに不満を持つような世界であれば、トランプ氏の関税案がアピールできる可能性がある」と分析。
【為替】トランプ時代「最後の円安」の可能性 | 吉田恒の為替デイリー
トランプ氏が政権を奪還した場合のドルの問題は、為替レートだけではない。選挙キャンペーンで発表された20の公約の13番目は「ドルを世界の基軸通貨として維持する」というものだ。1945年以後、ドルは世界共通通貨に最も近い存在であり、敵味方双方にとっての基軸通貨だ。
トランプ氏勝利で、円安・株高の「トランプ相場」 いつまで続くのか
トランプ氏は3月、「私は各国がドルから離脱するのを嫌う」とCNBCに語った。「各国がドルから離脱することを許さない」というのがトランプ氏の立ち位置だ。