円が対ドルで下落し、一時1ドル=151円97銭と1990年7月以来およそ34年ぶりの円安・ドル ..
ただプラザ合意が、当初より120円までの米ドル安誘導を目指したわけではなく、実際的には150円以下の米ドル安はプラザ合意の想定を超えた結果だった。このため、既に見てきたように5年MAを4割以上も下回る未曽有の米ドル「下がり過ぎ」が起こった。そして、そんな「下がり過ぎ」の反動で起こったのが、1990年4月160円までの米ドル高・円安だった。
それは、米ドル/円の5年MA(移動平均線)かい離率で見ると分かりやすいだろう。1988年にかけて120円まで下落した米ドル相場は、5年MAを実に4割以上も下回るものだった(図表2参照)。少なくとも1980年以降で見る限り、5年MAを4割以上も米ドルが下回ったのはこの時以外なかった。
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
円は約34年ぶりの安値を連日で更新、ドル堅調-一時154円61銭
スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は、全般的にドル買いの流れが続きドル・円もしっかりとなったと指摘。ただ、約34年ぶりの円安水準ということで「いつ円買い介入があってもおかしくなく、相場が動きづらくなった」と語った。
中国人民銀行(PBOC)は、人民元の対ドル基準値を前週末よりドル安・元高方向に設定。前週末の基準値が予想以上の元安水準だったことから当局が元安を容認したとの思惑が浮上していただけに、ドル売り(人民元買い)の動きがドル/円にも波及した。
16日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで一時154円61銭と、連日で約34年ぶり安値を更新。米国で強い経済指標を受けて金利が上昇してドル高が進んだ流れが続く中、欧州勢参入とともに米長期金利が上昇すると、前日に付けた1990年6月以来の安値154円45銭を更新した。市場では心理的節目の155円が近づき介入警戒感が高まっている。
昨日のドル/円はほぼ横ばい。財務省の神田財務官が円安を強くけん制したことや中国の元高・ドル安誘導の影響で151.00円台に弱含む場面もあったが、NY市場では米長期金利の上昇を背景に151.50円台へと反発した。終値は前日とほぼ同水準の151.43円前後だった。市場では、本邦当局による円買い介入への警戒感と、34年ぶりの152円台に向けた先高観が交錯している。
ドル/円は本日も決め手に欠ける中で151円台後半では伸び悩むと見られる一方、150円台後半に差し込めば押し目買いで下げ渋るだろう。年度末・四半期末および欧米のイースター休暇入りを控え、151円台前半を中心にもみ合う展開が続きそうだ。