【為替】2024年の米ドル/円を予想する | 吉田恒の為替デイリー


企業決算が集中する9月は、輸出企業を中心に海外で得た利益などを日本円へ戻す動きが増える傾向にあり、特に米ドルを日本円に替えるフローによって、米ドル/円で円高になりやすいと考えられているようです。


ドル円相場は引き続き上昇トレンドにありますが、月末のリバランスによるドル売りの可能性も指摘されています。相場の下落局面があれば、それを買い場として捉える戦略が考えられます。

来週は今年最大のイベントである米大統領選挙の週となります。近年まれに見る接戦で、最終的にハリス氏とトランプ氏のどちらが勝利するか見極めづらくなっています。各州の開票結果のニュースに一喜一憂して、神経質な展開が見込まれるため警戒は怠れません。これまでの市場動向を振り返れば、トランプ氏勝利を意識して、法人減税、拡張的な財政策、保護貿易主義をキーワードに株高・金利上昇・ドル高を織り込む流れが進んでいます。セル・ザ・ファクトの展開も考えられますが、マーケットの思惑通りとなれば、もう一段トランプトレードが進むと見られ、米ドル/円は瞬間風速で160円付近までの上昇があり得るかもしれません。このときは改めて、本邦の口先介入のトーンの行方も注目されます。

150円以上の米ドル/円の上昇は、5年MAとの関係からすると限界圏。その意味では、2024年は米ドル安・円高トレンドへ転換の可能性が高い。

米ドル/円は153円台後半まで上昇後に失速。衆議院選での与党大敗で、日銀の金利正常化スピードが減速するとの思いから、週明けに米ドル/円は153.876円まで上昇幅を広げました。ただ、同水準からは政府の口先介入などで152.411円まで押し戻されました。その後、153.80円レベルまで戻してもみ合ったものの、日銀の12月追加利上げが意識されて米ドル/円は151.780円まで下げ幅を広げました。植田日銀総裁は、政策判断にあたって「時間的な余裕はある」との表現を今後は使わないとし、次回以降の会合が「ライブ」であることを示しました。

この点が最近は違う。2007年とよく似た「円売りバブル」の可能性がもたらした円安は、今回は対米ドルでも「行き過ぎ」懸念が強くなっている。「行き過ぎた円安」の日本経済への悪影響は、対米ドルと米ドル以外の通貨に対する場合では評価が異なる。2007年と異なり、最近は対米ドルでの「行き過ぎた円安」が懸念される以上、通貨当局による円安阻止介入が円安の幕引き役となり、「円売りバブル」終了の最初のきっかけになる可能性はあるだろう。

逆に、ハリス氏が勝利したときは、失望から足もと構築されたポジションの巻き戻しが強まり、株安・金利低下・米ドル安の流れが強まることになり、米ドル/円は147円ないし145円付近までの下落も見ておいて損はないかもしれません。何れにしても、接戦のため結果判明までに時間がかかることになりそうで、その間、理に適わないような値動きとなるケースも想定されるなど、荒い値動きを覚悟しておく必要はありそうです。また、米FOMCでは米インフレが落ち着く中で雇用安定化を最優先に政策判断にあたる方向に舵を切ったため、取りあえず0.25%利下げを実施してくると見ています。ただ、足もとの個人消費を始めとする底堅いファンダメンタルズを受けて、12月利下げに対してどのようなメッセージを送るのか着目されます。

そして、ニュージーランドドルは、ニュージーランドが12月ごろから主要農産物の収穫時期に入ることもあってか、例年、年末に向けて買われやすくなります。実際に12月の月足では、陽線の出現回数がニュージーランドドル/円とニュージーランドドル/米ドルは20回中15回、ニュージーランドドル/カナダドルは16回と、「ニュージーランド高」のアノマリーがあります。


ドル円予想 | 植田日銀総裁の講演待ち | 今日のアナリストレポート

2022年以降、ドル円の為替レートは歴史的な円安を記録しており、2024年7月時点でも依然その傾向は継続しています。

2024年の米ドル円は140.82円で始まり、7月3日に161.99円の高値、9月16日 ..

ただ、実際の物価の動きを見る限りは、特に円安の影響が強く、日本がコストプッシュ・インフレに晒されていることは明らかな事実です。2024年もこの円安が続けば、引き続き物価が高止まりすることは間違いないでしょう。

【2024年10月21日】米ドル/円 円高リスク再燃は近い?(宮田直彦)

一般的に、ドル円相場は、日米金利差に連動すると言われています。

2024年は7~9月に161円から139円まで最大20円以上の強烈な米ドル安・円高が起こった。

永く第一線でディーラーとして活躍したYEN蔵氏。専門知識を活かした相場解説や今後の見通しを知るうえで有効です。

11月は「トルコリラ/円」での円高に注目! また、11~12月にかけて対円、対米ドル、対豪ドルなどで「NZドル高」のアノマリーにも注意!

2024年のドル円相場予想に関して、金融市場では緩やかな円高がコンセンサスとなっている。果たしてそうだろうか。筆者は、2023年12月のドル円相場急落などをヒントに、年内に最大115円まで円高になると予想している。日本の金融業界に根強い「4つの常識」を紹介しながら、ドル円相場が市場の予想以上に下落する見通しの根拠を解説する。(記事内容は2024年2月6日時点)

1.「地獄の窯」を覗きかけたドル円 2.行き過ぎた円安が増幅する「円急騰シナリオ」 3.円安という「バーゲンセール」が終わる時.

以下は日米の10年物国債利回り差とドル円相場の動きを2005年から比較したチャートです。

本記事では、主な外貨両替方法やそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

永く第一線でディーラーとして活躍したYEN蔵氏。専門知識を活かした相場解説や今後の見通しを知るうえで有効です。

政府・日銀による市場介入か 外国為替市場で4円以上円高方向に | NHK

ドル円相場は、2023年1月から11月までほぼ一貫した上昇基調をたどり、約16%のゲインをみせた。ただ、ドルは同年末のほぼ1カ月間に円に対して約7%も急落している。一方、ドルはユーロとポンドに対して年央まで緩やかな下落基調を示したのち、年後半にはレンジ内でほぼ方向感なく取引されている。

外貨預金を考えている初心者へ各通貨を解説! | 三菱UFJ銀行

これは、主に日・米・英・ユーロ圏の物価と金融政策の相違が反映されたものである。米国のコアCPI(食品・エネルギーを除く消費者物価)は、2022年9月の前年比6.6 % をピークに下落基調に転じ、2023年12月には3.9%まで低下した。ユーロ圏と英国のコアCPIのピークはそれぞれ2023 年3月の5.7%と同年5月の7.1%と、米国に比べ6カ月から8カ月遅れた。その後、ユーロ圏のコアCPIは、2023年12月に3.4%まで急低下したが、英国のそれは5.1%までの下落にとどまっている。この間、日本(東京都区部)のコアCPIは、2023年1月の1.7%から11月の2.7%までの極めて緩やかな上昇にとどまった。

一方で、「1ドル=90円」の時に、1,000ドルを日本円に換えるとどうでしょうか。 ..

また、9月は7月からの夏枯れ相場が終わり、年末に向けたトレンド発生の起点になりやすい季節です。たとえば、豪ドル/円の陽線の出現回数は10月が13回、11月が12回と、いずれも「アノマリー」とまでは言えませんが、年末に向けて「豪ドル高」になりやすい傾向はあります。

【アメリカ大統領選挙レポート:為替市場への影響】迫る大統領選挙

つまりということです。「有事」の場合は、リスク回避の円買いが進み易く、あくまで大きな問題がない時だけ、ドル円相場は、日米金利差に連動すると考えてください。

円安もまた歴史的水準に ~1ドル153円突破、どこまで行くか?

これを受けてFed(米連邦準備制度)は、2022年3月以降継続してきた毎会合連続利上げを2023年5月でいったん停止し、同年7月の利上げを最後に金融政策を据え置いている。また、ECB(欧州中央銀行)とBOE(英国中央銀行)は、それぞれ2023年9月と同年8月まで連続利上げを継続した。対して日銀は、この間一貫して金融緩和を継続し、政策修正は長期金利誘導目標の上限を微調整するという極めて限定的なものにとどまった。

Revolutで外貨両替する3つのメリット(海外事務手数料0%など)

2024年以上に投機的円売りが拡大したのが2007年だった。当時は、日米政策金利差で見ると、最近と同じほど記録的に大幅な米ドル優位・円劣位が長期化していた(図表4参照)。以上のように見ると、最近と2007年は大幅な金利差円劣位の長期化に伴い圧倒的に有利な円売りが急増したという意味で、かなり似た構図だったと考えられる。

金の売り時はいつ?2024年は売るべきタイミングなのか | 玉光堂

2024年のドル円相場予想に関して、金融市場では緩やかな円高がコンセンサスとなっている。しかし、年初の市場コンセンサスはしばしば裏切られるのがジンクスである。筆者は、ドル円相場が年内に最大115円まで円高になると引き続き予想している。この観点から、2023年12月におけるドル円相場急落の為替インプリケーション(含意)は極めて重要である。

たとえば、1ドル100円のときに1万ドル購入し、1ドル145円のときに売却 ..

そうなると現在は、パンデミックやウクライナ情勢が、一定の落ち着きを見せています。2023年はFOMCの強力な利上げもあって、日米金利差に連動する円売りが拡大しました。一方2024年はFOMCの利上げが止まり、既に利下げも取り沙汰される状況です。その面では、日米金利差の縮小が円買い要因となるか注目されますが、ただ、前述の通り米長期金利の低下にも限界があること。また、日銀は政策金利の変更をしても、政策金利の大きな引き上げに踏み切る可能性が低く、2024年も大きなリスクオフの材料がなく、日米金利差の縮小も2.5-3.0%程度に留まるなら、ドル円の下落も限界がありそうです。