主要上場メーカー122社の平均値は1ドル=119.1円で、前期(2022年3月期初、105.5円)から13.6円の円安に設定されている。


為替レートには多くの要因が影響し、先行きを予想することは簡単ではない。このため、過去の推移を参考にする人は多い。実際、過去に節目となった高値や安値の為替レートは、多くの市場参加者にとって1つの目処となりやすく、そのため、その節目の為替レートが相場の転換点となることも少なくない。過去のドル円相場の歩みや背景を知っておくことで、相場の流れをつかみやすくなるだろう。


しかし、2022年の円安では、ロシアのウクライナ侵攻という「有事」にもかかわらず円高となっていない。なぜだろうか。理由は1つではないだろうが、大きな要因として考えられるのが、日本の製造業による海外への直接投資が進んだことだろう。

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年間平均は、各通貨の月中平均相場の単純平均(月中平均の合計/12ヶ月)
*:TTB is for reference only / TTBは参考相場
**:For reference only / 参考相場
***:CNY Rate is set based on the Offshore Renminbi Market/オフショア人民元相場に基づく公表相場
Final official quotation by MUFG Bank, Ltd., Tokyo / 三菱UFJ銀行の最終公表相場による

為替相場情報や経済・産業に関する様々なレポート・マーケット情報を紹介しております。こちらのページは2022年のバックナンバーとなります。

2022年10月に32年ぶりの円安ドル高となりましたが、円安が進む際に日本の財務省要人はこのように発言していました。今年も再び円安が進行し、財務省要人から「過度な変動は好ましくない」「必要があれば適切に対応する」との発言が出ています。

米ドル対円相場(仲値)、ユーロ対円相場(仲値)を年度ごとに見ることができます。

2022年から2023年6月までのドル円相場を振り返ると、中央銀行の金融政策に強く影響を受けてきたと言えるでしょう。図1は、昨年から今年6月末までのドル円相場と米2年国債利回りの推移を示したものです。両者が似たような動きをしていることが見て取れます。

2年金利は、金融政策の影響を強く受ける傾向があるため、両者が似たような動きをしていると言うことは、ドル円相場が米国の金融政策に対するマーケットの思惑に連動しているということになります。


外国為替公示相場 2022年12月30日時点通貨 記号 TTS TTB TTM 米ドル USD 133.70 131.70 ..

その後も2度ほど円安になる局面はあったが、2022年の円安と背景が近い“2015年の円安”は興味深いだろう。2012年には70~80円台だったドル円相場が、2015年6月は125円86銭まで円安に振れた。米国では2015年12月に9年半ぶりとなる利上げが行われ、その後2018年12月まで断続的に利上げは続いた。一方、日本はその間、黒田日銀総裁が「異次元緩和」と称して強力に金融緩和を押し進めた。こうした金融政策の違いが強烈な円安につながったと考えられる。

USドル/円の為替レートの推移(2021年1月~2024年11月)

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2022年後半のドル円相場を展望する:市川レポート 経済 ..

1995年以降、これまでに最も円安となったのは1998年7月で、当時は1ドル=144円63銭まで急落した。わずか3年前の1995年に、ドル円は80円を割るほど円高となっていたため、その揺り戻しが大きく出たと見ることができるだろう。当時、日本では大手金融機関が相次いで破綻しており、日本経済の先行きへの不安が大きくなっていた時期。日本政府は2兆円以上の円買い・ドル売りの市場介入も行って、何とか円安を抑え込んだのだった。

26日の東京外国為替市場の円相場は、午後5時現在1ドル=157円37~37銭と、前日(157円01~04銭)に比べ36銭の円安・ドル ..

昨年秋の円安局面も今年夏の円安局面も、ドル円相場の主要テーマは日米中銀の金融政策の格差である点は共通しています。しかし、今後どこまで円安が進むかを検討する上では、相違点を整理しておく必要があるでしょう。

円相場が語る2022年 1ドル=120円の世界、125円の瓦解

まず注目したいのが、貿易収支の状況です。日本の通関統計の輸出超過額を前年同月と比較すると、2022年は資源価格の高騰などで貿易赤字が拡大する傾向が続きましたが、今年4月・5月の赤字幅は前年同月よりも縮小しています。貿易収支が赤字なのは同じですが、赤字幅縮小は貿易による円売り圧力が低下していることを意味します。

[PDF] ドルサイクルとドル円相場の循環的な変動メカニズム

その後、ドル円の為替相場は、1995年4月に一時79円75銭というレートをつけるほどの強烈な円高となる。ここでは、1995年から2022年現在までに至る約27年の間に見られた為替レートの節目を確認しておきたい。

円売り・ドル買いが先行し、円相場は一時1ドル=157円85銭付近と、7月中旬以来約5 ..

2022年の米ドル高・円安のピークは、2022年10月21日に記録した151円だった。歴史的円安に終止符を打ったのは、この日行われた日本の通貨当局による米ドル売り・円安介入だったとの理解が一般的なのかもしれない。

2022年10月に151円で米ドル高・円安が終了すると、その後1ヶ月余りで20円近くもの大幅な米ドル安・円高が起こった。

確かに、この日の介入を受けて米ドル/円は、すぐに145円程度まで急落した(図表1参照)。ただし、その後は145~150円のレンジ中心での展開が続いた。そんなもみ合いから米ドルが「下放れ」に向かったのは11月10日。この日発表された米CPI(消費者物価指数)が予想より弱かったことをきっかけに米金利が低下、それに連れて米ドル/円も一段安に向かうところとなった。いわゆる「CPIショック」と呼ばれた現象だ。

今年のマーケットを振り返る4 為替市場 ドル円は32年ぶりの円安

しかし、1960年代にベトナム戦争などの影響もあって米国経済が悪化すると、米ドルの信用力も低下し、固定相場制を維持することが難しくなっていった。1971年にはドルを切り下げる形で1ドル=308円の固定相場制となったが、その後もドル安の流れは変わらず、1973年には日本や欧州各国は完全な「変動相場制」へと移行することとなった。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 前年の年末・年間平均 2022

それにしても、上述のCPI発表後も米金利低下は限られた。そもそも、2022年11月初めのFOMC(米連邦公開市場委員会)を受けて、米金利は一段と上昇する見通しとなっていた。この結果、米ドル急落はそれまでとは異なり、米金利と大きくかい離する形で広がった(図表2参照)。

外国為替市況(日次) : 日本銀行 Bank of Japan

では、なぜそれまでと異なり、米金利からかい離する形で米ドル急落が起こったのか。それは、行き過ぎた米ドル買い・円売りの反動の影響が大きかったのではないだろうか。ヘッジファンドの取引を反映しているとされるCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、当時10万枚以上の売り越しとなり、経験的に円の「売られ過ぎ」懸念が強い可能性を示していた(図表3参照)。それが逆流、米ドル売り・円買いとなったことで、米金利との関係を超えた米ドル急落が起こったのではないか。

【市川レポート】急速に進んだドル安・円高の背景と 今後の見通し

特に、2022年の場合は、年末を控えて日本の投資家の場合なら、確定申告など損益の確定が迫られる局面にあったことも、米ドル買い・円売りのポジションの手仕舞いが、米金利で説明できる範囲を超えた米ドル急落をもたらした可能性はありそうだ。