名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) : 作品情報


昨今の劇場映画の施策として邦画・洋画・アニメ等にかかわらず「入場者プレゼント」を週替わりで実施して集客にブーストをかけるものがあるが、こと劇場版コナンにおいては〝入プレ〟を行わない。つまり、特典目当てで劇場に足を運ぶ観客が存在しないのだ。そもそも原作は今年連載30周年を迎えた長寿シリーズであり、劇場版も27作品目。にもかかわらず年々数字を積み上げているのは驚異的だ(親子3代でのファンも少なくないと聞く)。長く続いてもファンが縮小したり代替わりしたりするどころか増えていく――そういった意味でも、「名探偵コナン」という作品自体のコンテンツ力の強さをうかがわせる。


漫画のメディアミックス作品においては原作ファンが必ずしもアニメ等に流れるわけではなく、逆もまたしかりだが、劇場版コナンの場合は「原作ファン」を中心とするコア層、そして「劇場版オンリー」のライト層も満遍なく拾えている印象だ。本稿ではそうした視点で、「100万ドルの五稜星」に施された〝仕掛け〟を見てゆきたい。

まず本作においては、事前の一般向け試写会を行わない形が取られた。劇場版コナンほどのビッグタイトルとなれば全国主要都市で試写会を行い、〝見せ込み〟を行うことで口コミを加速させ、公開日に向けた盛り上がりを作っていくのが通例。しかし「100万ドルの五稜星」においては、事前に試写会を行わないというアナウンスがなされた。前作「黒鉄の魚影」の試写会で一部の観客がネタバレを行ってしまったのも大きいだろうが、そうした事情があってもネガティブな告知にはせず「今回は怪盗キッドの秘密が明かされるため行わない」と〝それだけすごい内容になる〟と観客をあおりつつ、しかも〝試写状を怪盗キッドに盗まれた!〟という建て付けにしてファン心をくすぐるプロモーション戦略もうまい。

劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』×aiko「相思 ..

もちろん公開タイミングに合わせて金曜ロードショーで過去作を放送したり、マクドナルドやスポティファイとのコラボレーションを行ったりと露出も大量に行い、テレビやネット、雑誌に街頭広告とリアル/デジタルでユーザーが何かしらには触れるような仕込みにも余念がない。元々劇場版コナンは配信サービスで見放題にはなっておらず、公開タイミングに合わせてHulu等で見られるようになる(この時期だけ期間限定で復活する)パターンを取っていたが、今年はそれに加えてNetflix等でも配信を開始。しかも全作品ではなく、「100万ドルの五稜星」に関連するエピソード(怪盗キッド、服部平次、遠山和葉の登場作)を中心にしている。実際、Netflixのランキング上位を独占しており、この試みは成功したといえるだろう。

かつ、歳月をかけて「ゴールデンウイーク近辺は劇場版コナン」と風物詩になるまで刷り込んできた点も重要だ。公開時期が毎年近かった「映画クレヨンしんちゃん」は2023年の「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜」から夏公開に変更され、シネコンも通常スクリーンだけでなくIMAX等のラージフォーマットも劇場版コナンに明け渡す結果になり(スクリーンが限られているため争奪戦になるのだ。洋画大作の日本公開が劇場版コナンと同時期を避けて組まれることもあると聞く)、もはや一強感が漂う。

解説 2024年に30周年を迎える、青山剛昌の『名探偵コナン』シリーズの劇場版アニメ第27弾。函館市を舞台に、新選組副長・土方歳三の刀と謎の切り傷を残した遺体をめぐり、戦時中に軍需産業に関わったとされる旧家の謎を追うコナンたちの姿を描く。監督は永岡智佳。声の出演は高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也らの他、劇場版ゲストは大泉洋。

コナンは最近ハマるようになり、事前に関連エピソードや映画を出来る限り予習しました。

ちなみに、私がコナンの映画を劇場で観るのはこれが初めてです。一通り観た印象としては、ミステリーとアクション、ラブコメがバランスよく構成されていて観やすかったです。

コナンはアクションに全振りしているイメージが強いですが、今回はしっかりと謎解きがされていたので、ストーリーとしてもよく出来ていました。事件の黒幕が一体誰なのか予測できず、展開が二転三転して興奮が止まりませんでした。

コナンと服部が事件の謎を解いたり、バイクで派手なアクションを繰り広げる場面が多く、バディムービーのような面白さがあって熱くなりました。また、怪盗キッドの秘密が明らかになり、「コナンとそんな関係があったの!?」と衝撃を受けました。

服部と和葉の恋愛描写もあり、途中に出てくる100万ドルの夜景で告白シーンがあるなど、物語に自然な形で組み込まれていたのが好印象でした。それでも、最後には「えー、まじか!!」とびっくりする展開になって戸惑いました。

今回は4DXで観ましたが、私が今まで体験してきた中でも上位に入るぐらい相性が良かったです。刀を使ったアクションは、キャラの振り方に合わせて素早く動き、体ごとぶん回されているような感覚になりました。また、構えるときにフラッシュの演出があって、キャラとの一体感を感じました。

風の演出も多く、飛行機やターボ付きスケボーで疾走しているときは、劇場内に心地よい風が吹いていて気持ちよかったです。

想像よりも激しく揺れる場面が少なかったですが、必要に応じて座席の動きや特殊効果が使い分けられていました。そのため、物語に集中して観ることもできました。

私がコナンに興味を持ったことに驚いていますが、自分も好きになれてよかったと実感しました。来年も行くかはわかりませんが、今後の動きをチェックしていきたいと思います。

余談ですが、鑑賞後は最近USJにできたコナンの4Dライブショーに行きたくなりました(これがきっかけで興味が沸きました)。


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劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」×「帰ってきた あぶない刑事」スペシャルコラボ映像

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024)

「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」×「ゴジラxコング 新たなる帝国」コラボムービー

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) || TOHOシネマズ

近年の劇場版シリーズと比較すると、推理パートが多かった。そのため案外アクションの見せ場が少ないのだけど、毎年同じことをするわけにもいかないから、手を変え品を変え、コナンの魅力を多彩に見せていくことは必要だろう。
今作は、物語の軸が3本ある。平次と和葉のラブコメ、キッドの秘密、土方歳三の刀に隠された謎。軸が3つあるのは一本の映画としては多いなと思うが、わかりやすくまとめる工夫はされていたと思う。しかも、この3つ、主人公のコナンがいなくても成立しそうなものばかりなので、3つを展開させながら主人公にも活躍の場を作ってと、苦労がかなり多そうなプロットである。しかし、きちんと破綻なくまとめているのはさすが。
今後にシリーズ展開を大きく拡げそうな要素が最後に出てきて驚いた。これだけシリーズを重ねても驚かせる要素をまだ持っているということ自体すごいことだし、まだまだ楽しませてくれそうで来年以降も期待している。

TOHOシネマズの映画情報。名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)の情報はこちらから。

元々劇場版コナンシリーズは1作目の「時計じかけの摩天楼」から一貫して、原作者の青山剛昌がアニメーターとしても参加している。キモとなるシーンを原作者自らが描き下ろすという〝連携〟が当初から行われており、原作とのリンクや掘り下げも細やかだ。コナン/新一の誕生日や毛利小五郎・妃英理夫婦の過去編が描かれて原作にも還元されてゆき、第18作「異次元の狙撃手」では原作に先んじて、沖矢昴の正体が明かされた。「黒鉄の魚影」では灰原哀の過去編やキャラクターの掘り下げががっつりと行われており、本作「100万ドルの五稜星」においては原作の根幹にもかかわる衝撃的な新事実が判明する。しかもさまざまなキャラクターの見せ場のシーンを青山が描き下ろすとなれば、ファンが参加しない選択肢はない。

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「原作のエピソードをアニメ映画化する」でもなく「原作とはつながらないオリジナルエピソード」でもなく、「アニメオリジナルながら原作ともリンクする」仕様でクオリティも高いという離れ業をやってのけているのだ。かつ、「100万ドルの五稜星」においては「名探偵コナン」だけでなく青山の別作品「まじっく快斗」「YAIBA」のキャラクターも登場し、ユニバース状態。オールドファンには感涙ものの仕掛けが施されている。さらに「平次がコナンを抱き上げてサポートする」「鈴木園子の有能ぶりがさりげなく描かれる」「和葉の聴力が優れている設定が引き継がれている」等々、謎解きに大きく関わる部分からそうではないところまで、キャラクターへの愛情と理解度がすさまじい。

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(100まんドルのみちしるべ)

本作は、やや要素を膨らましすぎていて、そのぶん必ずしも必要のない登場人物が多くなり分かりにくい構成になっているように感じます。
さらに登場人物が多ければ多いほど「偶然」が多くなりすぎて、不自然さが目につき、「ご都合主義」的な展開と言わざるを得ないと思います。
ただ、クオリティーの高かった前作とは脚本家が異なるため、毎年の作品なのでこういう回が出るのも仕方ない面もあります。
本作では「怪盗キッドの秘密」が明かされる重要な回になっています。
そもそもキッドとは因縁のある「西の高校生探偵」こと服部平次は、瞬時に様々な事を見抜く設定ですが、(多くの観客が気付いているような点を)今回の格闘の際にようやく気付くのは遅すぎる気がします、笑。
もう少しセリフを変えたり、何かしらの整合性は欲しいところです。
また、犯人を見つける要因がアレなのは、さすがに厳しい気がします。
本作は挙げていくとキリがないくらい脚本には難点を感じます。
一方で、これまでの劇場版よりギャグシーンを多用したりラブコメ要素をちりばめたりと、そこまで深く考えなければ、これも「名探偵コナン」の作品として十分に成立しているとは思います。

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) : ポスター画像

「名探偵コナン」漫画家・青山剛昌が紅白歌合戦のゲスト審査員に決定

前作対比112%「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の過去最高スタートの仕掛けに迫る

劇場版コナンは「爆破」が代名詞になっているほどド派手なスペクタクルシーンが立て続くため、ともすれば原作の世界観を壊したり超越したりしかねない危険性をはらんでいるのだが、キャラクターの一貫性にブレがないため、ファンにおいてもスッと受け入れられる部分が大きいのではないだろうか。服部平次と怪盗キッドの間に確執がある「キスの恨み」においても、原作→TVアニメで描かれた内容であり、きっちりとつながっている。ちなみに、100万ドルの五陵星」に合わせて発売された原作コミックス105巻には「服部平次&遠山和葉」「怪盗キッド」の登場エピソードが収録されており、少年サンデー掲載時から逆算していたと考えると実に用意周到だ。

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)のチケット情報はローチケで。映画のチケット予約が可能です。チケット先行情報も。

前評判が良くて期待しすぎたのものあるかもしれないけど普通だった。
明かされる秘密みたいなことも予告であったけど
予想できる範囲というか特別驚くほどの秘密ではなかった印象。
面白くなかったとかではなくて普通のコナンで普通に楽しめるという感じ。
津田さんの声は素敵だった。
大泉さんは大泉さんって感じの声だけどキャラクターとはあっていたような気がする。

劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』 劇場商品

ここまではファン目線で「100万ドルの五稜星」がいかに必見かを紹介してきたが、北海道函館を舞台に新選組が関わる歴史ミステリーが展開する本作は、コナンのファンにとどまらず歴史好きや旅行好きにも刺さるような内容となっており、刀を集めていくことで財宝の隠し場所がわかるというミステリー&冒険ロマン的な要素もあれば、空を飛ぶセスナの上で戦うという「ミッション:インポッシブル」ばりのアクションも用意されている。仮に名探偵コナンに詳しくなかったとしても、楽しめる要素がカバーされているのだ。ファン感謝祭としての役割も娯楽大作としての質も担保しているため、観客がそれぞれのレイヤーで楽しめる。展開も相当スピーディーで小気味よく、内容もしっかり濃い「100万ドルの五稜星」はシリーズ最高興収の金星を勝ち取れるのか、今後の動向を注視したい。

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2019年公開『名探偵コナン 紺青の』以来の5年ぶりに怪盗キッドが劇場版に登場!ビッグジュエルを狙うことの多いキッドだが、今回のターゲットは日本刀。普段はトランプ銃などを使って遠距離で戦っているキッドが今作では刀を用いた近接戦という貴重な姿がおさめられている!さらには、今まで明かされていなかった“キッドの真実”も!?またファンにはたまらない平次VSキッドの対決も!待望の直接対決をお見逃しなく。